林家正雀師匠出張落語会終了報告★
先月開催されました、毎年恒例の、林家正雀師匠をお招きしての出張落語会。
今年も、大盛況のうちに、終了させていただきました。
師匠の、いつもながらの軽妙な語り口に、満席の会場は爆笑の渦に巻き込まれました。
そして、楽しい落語のあとには、師匠お得意の、踊りも披露していただくことができ・・・
落語あり、余興あり、の皆様大満足の一日になりました。
さてさて、本年度の演目ですが、
- ぞろぞろ
- 元犬
- 小間物屋政談
の3つでした。
その中の、ひとつ、「ぞろぞろ」という演目を、
後ろの方でご紹介いたしますので、どうぞお楽しみくださいね♪
そして、毎年、本落語会開催のために、お骨折りいただいております、婦人部長のO様、いつも本当にありがとうございます。m(u_u)m
今から、来年度の開催が本当に楽しみです!(^-^)/
☆ ☆ ☆
古典落語「ぞろぞろ」あらすじ
大阪難波にある赤手拭稲荷の門前。閑古鳥が鳴いている茶店で老人夫婦がこぼしている。
「なあ婆さん。もうアカンで。残ったあるの言うたら、わずかな駄菓子と、壁に吊ったある草鞋一足だけじゃ。誰もお参りにこんさかい、二人で首括るしかないんとちゃうかな。」
「お爺さん。そんなこと言うもんやないで、何事も信心やさかい、お稲荷さんにお参りに行きなされ。」
「ほんに、そうやなあ。」と二人はどん底にありながらも信心だけは忘れなかった。
早速、爺さんは稲荷に参詣し心から店が繁盛することを祈った。
帰って間もなく、一人の客が来て
「壁に吊ったある草鞋おくんなはれ。」
「へえ。三文でおます。まいどありがとうさんで。」
…婆さん。とうとう最後まであった草鞋売れてもたで。もう、店何にもあらへん。…いよいよ終わりかいな。」と二人が嘆いていると、
「ごめん。」「あ、おこしやす」
「草鞋おくれんか。」
「へえ。まことに申し訳ございまへんが、草鞋たった今売り切れてしまいまして。」
「何言うとんねん。壁に吊ってあるやないか。あれ、売らんのか。」
見れば、草鞋がある。
「へ…。あっ、これはとんだことで、三文いただきます。毎度ありがとさんで。…おかしいなあ。さっき売れたはずやのに。」
またまた客が来て草鞋を買う。これはどうしたことかと訝る二人の目の前で、壁に新しい草鞋がぞろぞろと降りてくる。
「ああっ!婆さん見たか。」「わたいも見ました。」
「ああ~っ!お稲荷さんのご利益やー。」
二人は大喜び、これから吸い寄せられたように次々と客が草鞋を買いに来る。二人は一転して生活が楽になった。
これを見ていた向かいの床屋の親父、ここも同じように閑古鳥が鳴いている。向かいの様子をうらやんで、
「何であんたとこは客が来るようになりましてん。」と尋ねにきた。
「いやあ。それが、お稲荷さんのご利益や。」と
老人夫婦は一部始終を説明した。
「そうか。…やはり信心はするもんやなあ。ようし、わいもお稲荷さんにお願いしよ。」と親父も爺さんと同じように稲荷に参詣し、「どうか。正一位稲荷大明神様。わたくしもあの年寄り夫婦と同じご利益が授けられますように。」と心から祈った。
急ぎ帰ってみれば、店は客であふれかえっている。
「おい!おやっさん。はよしてぇな。わたい急いでるねん」
と口々に叫んでいる。
(うわーー。お稲荷さんのご利益やがな。)と内心大喜びの床屋」、
では。とばかりに客の鬚をすっとそると、髭が”ぞろぞろ!”
≧(´▽`)≦